クロノファン2022

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クロノトリガー異世界線(魔族のいない世界)

中世のコウモリ魔族がクロノ達の後をつけてきた。
現代を見てきたコウモリは魔族の衰退を危惧して、知恵をしぼった。


人間に成ります魔法を駆使して王家を乗っ取る作戦はヤクラの失敗に終わった。何がいけなかったというと、王妃を誘拐してしまった事だ。誘拐が成功しやすい従者達から成り済ましていき、王族の勢力を外堀りから少しずつ削いでいけば何ら問題もなかった。魔術は使いこなせても、それに頼りきりで知能を働かせないのが魔族の特徴だった。その欠点さえ克服すれば魔族の未来は明るかった。

そのコウモリはガルディア国外の魔族に助言した。まずイギリス王家から侵略が成功した。
この成功例を機に世界中の魔族が人間界に勢力を伸ばしていき、クロノが生まれる時代には、世界は魔族の為の世界になっていた。

といっても、表面的には人間社会を構築していた。
あくまでも人間に成り済ます事から始まった計画である。人間社会の体制自体は人間が効率よく増えていく仕組みがあり、人間を食糧として解釈するならば人間社会に極力干渉しないのが、魔族にとって有益になるからだ。
要人一家にまるごと化け、人間社会に溶け込み、必要な量だけ狩ればいい。その仕組みを効率よく動かせる魔術も開発された。

人の記憶を読み取ったり、人の記憶を自身にコピーする魔法技術である。複雑な魔方陣を描く事で可能になるその魔法は、ラヴォスのエネルギーが動力源になっている。

それができる魔族にとって、それができない魔族はただ邪魔な存在だった。人間に恐怖を与えるだけの魔族がいては人口増加の邪魔になるだけ。不要な魔族は魔族によって徹底的に滅ぼされた。

究極的には【人々は魔族を知らず、記憶にも魔族は存在していない。】そういう世界を魔族は求めた。
人の記憶は容易に消せないにせよ、印刷物の記録を消すことは可能だった。魔族の存在に関する書物は燃やすと共に、健康診断と称して一人一人に催眠術の魔法をかけていき魔族の記憶を消していく。地道な作業も、ラヴォスエネルギーを利用した魔方陣で効率よく進んでいった。

現代になると監視カメラ社会になり、魔族の生き残りが記録に残る事も稀にある。その都度、魔族の生き残りを消し、目撃者達の記憶を消していく。
インターネットが発達すると映像が拡散することもあるが、その都度情報規制で対応していく。魔族の世界は紆余曲折ありながらも極めて安定して運用されていた。

それにより、クロノが生まれる頃には魔族が目撃されたとしても【人々は簡単には魔族の存在を信じない体質】になっていた。

ラヴォスの特性としては大量のエネルギーを取ればびっくりして目覚める。エネルギーを取らなければ貯まり過ぎたエネルギーを発散させるために地上に降臨し子を産んでしまう。エネルギーを適量取る分には目覚めることもなく、発散する為に地上に降臨する事もない。この世界ではラヴォスは降臨することなく、安定して地殻に潜んでいた。

ルッカが超次元転送マシンを開発し、マールが中世時代に飛ばされるとクロノ達は魔族の存在を知る事になる。しかし、自分達の世界が歴史と繋がっているとは直ぐには気付けなかった。

ルッカが時空の裂け目を探す装置を開発し、未来への道を見つけたとき、環境破壊で衰退した世界なのだが、魔族の存在は公にされていた。魔族が隠してきた歴史と未来で起きている人間対魔族対ロボットの戦いをクロノ達は知る事になる。