1.5話
「わたし…。このまま死ぬのかな…」
どうせ死ぬなら明るい世界が良かった。
「パパ、悲しむだろな…」
クロノ、手を伸ばして助けてくれようとしてたな…
クロノだけが…
う、な、なにこれ?
アタマの中に何か入ってくる。
『マールディア王女、ワープ実験の事故にて過去に飛ばされる。歴史改変リスク度80%。リスク低減プロトコルを強制的に実行します』
『ゲートを超えた直後、貴方は3体の魔族に襲われます。現時点での戦闘能力に問題があり生存確率は凡そ20%。必要な装備品と戦闘スキルを与えます。』
マールの脳内に直接に響く声は、マールの脳内にマールが知らない知識を組み込み込んでいく。
「め、メニュー画面って、何??」
何かに植え付けられた知識に
『メニュー画面、ステータス』
の項目がある。
マールはその項目に意識を向けると視界に画面が現れた。
マール レベル1
HP70
MP8
力2
素早さ8
回避8
命中8
魔力8
体力8
魔法防御6
装備品 ボウガン
マールはボウガンなんて使ったことは無い。けれどボウガンが扱える気がした。画面の見方も知っている気がした。
マールは秘められた力『オーラ』も習得した。
傷を癒やす超能力についてマールは使った事もないが使える事を知っている。マールにタイムトラベルした先で必要になる戦闘スキルを与えた。
「私はマール…私の役目はラヴォスを倒すこと。ありとあらゆる世界線にいるマールがした事を私もしなければならない…」
記憶が捏造され催眠術に掛ったかの様なマール。
マールはゲートを出ると魔族3体に襲われる事になるが、ここで得た戦闘スキルを利用して魔族を撃退する。
マールは山に居ては危険だと判断し、山を降りるが、ガルディア兵士に王妃だと勘違いされ、王宮へと連れていかれる。
その後、クロノがゲートを超え、マールと同じ様に声に導かれ戦闘スキルを得る。
ラヴォス討伐の歴史になる様に誘導されるマール達だが、ガルディア各地に点在するセーブポイント『運命の書』を利用した瞬間から事態が急変する。
運命の書はマール達の記憶を読み取り、そのデータを分析し、送った。データを送られた側は、マールとクロノに起きた『何かの介入』の痕跡に気付き、それを重大な問題だとした。
その存在は、時を操り、マール達がゲート内にて何かに介入されるタイミングに行き妨害した。
マールはボウガンやオーラの戦闘スキルについて、覚えて無かった事にされ、元の状態に戻り、魔族達と素手で戦う事になる。
マール達をサポートする存在、それを邪魔する存在。
この物語は2つの勢力に挟まれた
――――――――――――――――――――――――――――