クロノファン2022

下書きを出来るだけ公開設定にする。検索で見つけやすい

渡り廊下の先ではアザーラが空を見上げていた…

アザーラの潜伏先を確認したルッカ。無線でカエルに最上階に向かう様に指示をした。

カエルは現在地下200階を調査中だった。住人は誰もいなかった。ルッカの言う様に遥か昔に恐竜人はこの地に住めなくなり捨てたのだろう。恐竜人が栄えた時代には高地にいても酸素が豊富にあったが、大型恐竜が草を食べ、人や恐竜人が火を使う様になって木々がなくなり、酸素生成が少なくなってしまった。高地では生きられなくなり、地上に降りるものの、いつのまにか人間が栄えていて生存競争での勝ち目がなかった。プテラも恐竜人よりも人間側に仕える方が特だと思ったのかもしれない。

ここにいてはいずれ酸欠で皆死ぬだろう。そうルッカが言っていた。だからアザーラはキーノを閉じ込め、クロノ達を誘きだし、城の中に閉じ込めた。ルッカは『アザーラは卑怯者だから地上へ通ずる隠しエレベータで逃げたに違いない』と言っていた。見つけたら無線で合図を送れと言われていたが、なぜアザーラは逃げず屋上にいるのだろうか。

『それにしてもなぜグランドリオンで打ち破れないんだ??』

カエルは疑問だらけだった。
城にはいたるところに窓があった。しかし窓そのものは存在せずに、外の風を防いでいる。破壊しようとしても破壊できず、扉という扉が破壊できなかった。カエルはルッカにグランドリオンで巨大岩が切れる理由を説明されていた。魔王城へ続く大岩は魔力で強化されていて、グランドリオンにはその魔力を断する力があったから切れたのだと。だとすればアザーラ城の凝固な壁や扉も魔力が込められたものではないかと思っていた。たがグランドリオンでも傷ひとつつけられない。ルッカ自身もこの問題を考えあぐねていたが、アザーラを捕まえて吐かせれば済む問題だと言い、カエルは納得した。



アザーラはエイラを見ると、「少し早かったか」と呟き、塔の奥へと消えた。 しばらくするとアザーラは巨石型のティラノサウルスの背に乗り現れ、エイラ達に向かって突進してきた。


廊下を埋めつくす程の巨体が、猛スピードで突進してくる。


反応の遅れたルッカとマールをエイラが端に押し出してかぶさる。
地響きによろけるキーノはクロノに合図した。二人は巨石の足元にすべり混んで避けた。
ロボは立ち尽くしたま巨石の進路を計算して無駄のない動きで避けた。

ボウガン、ハンドガン、魔法で巨石に攻撃を加えるが全く効き目がない。

突進を繰り返すので、アザーラを狙うにも座標が合わない。

エイラは口笛を吹く。プテラが橋に近づくも、巨石の突進で誰一人乗る事ができない。

プテラは上空を旋回しながらエイラ達の攻防を見守っていた。

エイラは口笛を橋の下に向けて吹いた。プテラはその意図を理解して、橋の下からクロノ達を受け止めようとする。たが巨石の吐く火でプテラ達は上手く立ち回れない。

突進しながら下に向けて火を吐くティラノサウルスは首を下に伸ばしている。 その首にエイラが飛び乗りアザーラに拳をぶつけた。

アザーラは吹っ飛ぶ事なく耐えた。

アザーラの周りには見えないバリアが張られていてエイラの攻撃が届かない。

何度もパンチを加える。 エイラが驚いているとアザーラはニヤリと笑い、エイラを振り落す為ティラノを回した。

エイラがよろけて落ちそうになったが、 キーノが直ぐ後ろにいて支えた。エイラはパンチに夢中でキーノが後ろにいた事に気付かなかった。

「エイラ一人で無茶する。ダメ。」

二人は振り落とされない様に龍の背にしがみついた。

「アザーラ! そこから出てきてエイラと勝負しろ!」

「大地のおきて! 強いものが正しい! アザーラが言った言葉だぞ!」
「隠れてるのは卑怯だそ!」

エイラが話している隙にプテラがクロノ達を助けようとするが、いつまた突進されるのか分からない中でプテラ達も尻込みしていた。

「恐竜人、人間の言葉話せるのアザーラしかいない! アザーラ、どうして人間の言葉を話せるのに人間を襲うんだ!」
「何故、人間と恐竜人、戦う必要がある!」

アザーラはエイラの問いかけに答えなかった。代わりにキーノが疑問に思ってた事を話し始めた。

『アザーラ、なぜ僕を殺さなかった。

 僕をエサに城に皆を閉じ込める目的なら、僕を生かしておく必要なんて無かった筈だ。

 それに…  僕達を殺すなら、なぜ、城に恐竜人がいないんだ。』

 『アザーラ、君は最初から僕達を殺す気なんてなかった。

 今だってそう。僕をいつでも振り落とせるのに君はやらない。

 なぜなんだ?

 君は僕達に何をさせたいんだ。』

アザーラ「させたい?だと…」
 
アザーラ「お前たち無力な猿に何ができるというんだ… 何もできない。何もできないんだ…」

キーノ「キーノ分からない。エイラ、キーノも恐竜人と闘いたくない。戦わないということ、できる。

エイラ「そうだ! アザーラが恐竜人、みんな説得してくれれば、エイラもエイラの村のみんな、喜ぶ。」

アザーラは空を見上げた。

エイラ「アザーラ、話しあおう!」
    「まだ…見えないか…」
エイラの言葉にアザーラの声がかき消された。
エイラ達が「何が見えるのか?」と聞き返したのであればここでのクロノ達のシナリオも大きく変わったのかもしれない。


エイラ達の会話のやり取りの隙にマールとルッカプテラに救出された。

それを見たアザーラはティラノでクロノ達に突進、噛みつき攻撃をした。

苦労して寸前で交わすクロノに対して、ロボはティラノの動きを計算し、ちょこちょこと無駄のない動きで避ける。

ティラノには首輪がついていた。首に繋がる鎖は走る度にじゃらじゃらと音を立てていた。
鎖を繋ぐことができれば止められるかもしれない。繋ぐものがあるとすれば塔の中だろう。クロノは渡り廊下の奥へ走った。案の定、鎖を繋ぐ為の杭があったが、そもそも鎖が重くて持てる代物ではなかった。。クロノはどうにもする事も出来ず、杭のあるフロアで逃げ惑った。

アザーラはどうやって重い鎖を外したのか。

クロノは奥の部屋へと逃げた。
奥の部屋は狭まっており、ティラノは入れなかった。
クロノは一先ず助かったと息をすると、目の前に椅子とモニターの様なものを見付けた。
椅子もモニターも石で作られてる様なデザイン。
座ってみるも座り心地は悪くない。

竜人のコンピューターだろうか、未来で見た形とも違い、スイッチがない。画面に触るも何も変化がない。

画面には隕石が大地に衝突する光景が繰り返し映っていた。この時のクロノはその映像が何を意味するのか分からなかった。

巨石龍は渡り廊下へと戻っていた。
既にロボもプテラに乗り込んでいて、エイラとキーノ、クロノを待つ為に旋回している。


巨石龍は廊下の中心にて止まり、アザーラは空を見上げていた。

静かになったアザーラにプテラが近づこうとするが、罠と思い、近づけないでいる。


エイラがこれまでとは違う口笛を吹き、キーノに合図を送る。二人は大きく飛び、橋から飛び降りた。
プテラは急降下して二人を受け止めた。


クロノが鎮かな渡り廊下を不思議に思い恐る恐る覗こうとすると、マールが叫んだ。クロノも飛び降りる様にと。エイラもキーノも飛び降りたから大丈夫だという。

クロノは高さにビビった。いつ襲ってくるか分からない巨龍も恐れた。不安と恐怖が入り交じる中で、ロボのセンサーがラヴォスを探知した。

「皆さん大変です。空に…ラヴォスがいます。」

ルッカ「え? ラヴォスが上に? どういうこと?


ロボ「予測約、直径1km、質量6億トン、時速5万kmでラヴォスがここへ落ちてきます。このあたりの地表面100kmが吹き飛ぶ計算です。」


ルッカ「え? 

まるで巨大隕石。当初、ロボによる地質年代測定でこの世界が約6500万年前で隕石が飛来してくる生命絶滅期間であった事は知っていたルッカ。しかし、時代としては存在のありえないだろう人間が存在していた。ルッカは、この世界が地球と歴史が繋がらない世界(パラレルワールド)だと思っていた。なので隕石に対する心の準備等できてなかった。


ロボ 「グズグズしているヒマはありません!
 ラヴォス衝突まで1分もありません。」


この緊急事態を説明している暇はない。でも説明するしかなかった。ルッカは叫んだ。叫びまくった。直ぐにプテラに乗り離脱しなければいけない事。既にプテラに保護されている者だけでも逃げた方がいい事を叫んだ。残り40秒。ちなみに隼の最大時速は390km(秒速1km)らしいので、あっというまにラヴォス圏外に逃げられるだろうが、大型のプテラはどうだろうか? 大型の鳥程速度は落ちてしまう。プテラはギリギリ間に合うかどうかだ。ちなみにカエルの速度はどうだろうか?魔王に細胞レベルでカエルにされたせいで時速200kmで走れる。すっかり忘れていたがカエルはルッカの無線を聞いて全速力で屋上に向かっていた。カエルはルッカに20分以内にはどのみち陸に戻らなければいけないと伝えられていた。この城は標高の高い場所にあり、酸素が薄く、長時間いると体が動かなくなる。カエルはルッカの事をいつも尊敬していた。博学であり、何でも知っていて頼りになる。そのルッカが悲鳴を上げているのだ。ただ事じゃない事が起きたのだと察知した。

既にカエルは橋の上でルッカ説明を聞いていた。しかしルッカはパニックしていて、直ぐ側にカエルがいるのに気づいていなかった。ルッカは叫んでいた。『誰でもいいから、とにかくクロノを突き落とせ!』と

カエルはクロノを突き落とし、自分もジャンプした。

カエルとクロノをプテラがキャッチしたとき、上空が小さく赤光りした。


アザーラはまるで花火見物するかの様に空を見上げていた。



今からプテラに指示を出して都合良くプテラが言う事を聞いてくれるだろうか?

一般的には隕石含め宇宙の浮遊物は大気圏に突入すると減速が期待できる。人工衛星は時速2万キロで突入してスピードが半減して燃え尽きるそう。しかし種を絶滅させる程の高密度の隕石は殆ど減速が期待できないらしい。

ラヴォス隕石が途方もない磁場を生み出しているのなら、プテラが危険を感知することもあり得ない説ではない。
ラヴォスは地表に衝突すると古代へのゲート、(空間の歪)を生み出すので、プテララヴォスの異常な量の地場を感知することも、有り得ない話ではない。
あり得ないとクロノ達はここで全滅するしかなくなる。

プテラは磁場の変化にビビっていた。とにかくその場から離れたい気持ちでエイラ達に仕えていた。決してルッカの悲鳴に怖じ気付いて騒がしく叫んでいた訳ではないのだ。





あとがき


巨大隕石が衝突した地面は一瞬で蒸発し、火山が噴火したかの様に上空まで砂煙を舞い上げる。衝突の高エネルギーで砂の原型すらとどめない微粒子が空を覆う。

砂埃が鳥ですら届かない上空にまで巻き上げられるなら完全に太陽の光が届かなくなる。鳥も含めて多様な種は絶命するだろう。
一説によればペンギンは巨大隕石の影響がきっかけで生まれたらしい。空全体が粉塵だらけになり、飛べなくなった鳥は地上での生活を余儀なくされた。飛ぶ必要のない環境にて翼が退化した種が生き残り、それがペンギンだったという。

空に舞う微粒子の砂は雲の水分と吸着し重力と共に落ちるので雨が降る。大気中の雲は全て雨となるだろう。雨が止んでも光が地表に届く事はあまりない。氷河期が来る程の寒さは常に光が差し込まない夜の様な環境が必要になるからだ。最初の数週間は隕石衝突の熱もあり、寒さは感じにくいだろうが、それを過ぎると常に炎で暖をとらなきゃいけなくなる日がやってくる。体温調節の苦手な爬虫類系は土の中隠れるだろうが、一年もせず絶滅するだろう。人間は冷たい風を避ける為、洞窟生活が当たり前になる。

ただしこれらの説は衝突したのが隕石である場合だ。隕石は衝突の瞬間にバラバラになり粉塵の元になるが、ラヴォスはバラバラにはならない。氷河期がくるとしても、隕石よりはマイルドなものになるかもしれない。



小惑星衝突「恐竜絶滅の日」に何が起きたのか
1000km先でも即死、時速965キロの風が大木をなぎ倒し、巨大地震も発生――「インパクト・カリキュレーター」が描き出す、
natgeo.nikkeibp.co.jp
音速の衝撃波と熱で1000km以内の陸地生物は即死するらしい。衝撃波は地面に平行に発生するだろうから空にいたクロノ達は突風と粉塵に吹き飛ばされるだけで助かるかもしれない。だとしても蒸発した地面の熱は襲ってくるだろう。

イオカ村はディラン城まで1000km以上の距離があるという事で助かる。プテラが時速50kmで飛べるすればクロノ達は20時間以上の長旅になる。イオカ村と往復するには、数日分の食糧を持っていったか、現地調達等をするのかもしれない。

マグニチュードは10、直径100kmのクレーターができる。海岸沿い住んでいる原人は津波に巻き込まれる。

地球生物の75%が死んだ、6500万年前の「巨大隕石の衝突」
6500万年前にメキシコのユカタン半島に巨大隕石が衝突し、恐竜たちを絶滅に追い込んだ。この隕石の衝突は高さ1マイル(約1.
forbesjapan.com


海に落ちたのなら、1600mの津波が来るそうだ。