『とあるアレンジクロノ最初だけ』 マールから
城の庭にてマールは周囲の目を気にしていた。人目がないのを確認したマールはリュックからボウガンを取り出した。矢にはロープが付けられいる。放つとそれは塀の頂上にて固定される。塀を登ったマールは内緒で家出をした。
今日の家出は千年祭会場に行く事。本番は明日であるものの多くの出店者は準備もあらかた終わり、演者達のリハーサルもありで、本番さながらの活気があり、楽しめる場所であった。
マールは一足早く、祭りの気分を味わっていた。
リーネの鐘の前を過ぎる頃、赤い髪の少年が全速力で走っていた。何に向かって走ってるのだろうかと興味を覚えたマールはその後をついていった。
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クロノはゴンサレスとの戦闘テストをやらされていた。
ルッカいわく、【一家に一台のセキュリティロボット】を開発しているらしく、軍人ですら勝てないロボを制作中だった。パンチと移動くらいしかできなかったゴンサレスをジャンプしたり、のし掛かったり、ビームを発射できる『スーパーゴンザレス改』に改良したらしく、それと戦って欲しいとのと。
スーパーゴンザレスは逃げようとする相手に容赦なく、のし掛かって動きを封じてくる。
全力で戦って余裕で戦闘不能にされたクロノ。凄まじく悲惨な光景を目撃するマール
『だ、だいじょうぶ?』
いざという時の為にポーションやエーテルをリュックに沢山入れてたマールはクロノを回復してあげた。
王家の力(オーラ)で回復させる事もできたが、身ばれを防ぐ為、その力は隠した。
マールにお礼を言うクロノ。ルッカに文句を言うクロノ
『剣道で鍛えたクロノが余裕で負けるって凄いことよ!これで家の安全はSECOMに頼む必要がなくなるわ! さて、』
ルッカは話を反らして明日公開するテレポート装置の案内をした。
『人物転送は万が一を考慮してやる予定はないよね…。一応私だけやって魅せる予定なのだけど』
ルッカは装置を起動し転送されて見せた。
マールは感激した。自分と年の近い女の子がとてつもない発明をやってのけてる事に大きく感動し、その凄さの一端に触れてみたくなった。
『私もいいかな?かな?』
少しだけ困った顔をするルッカ
『一応説明しとくけど、転送に失敗して地面の中とか上空1000mに飛ばされたら死ぬしかないわよ? それでもやりたいっていうの?』
マールはその失敗図を想像してみたがルッカがテレポートを成功させた事のインパクトが強すぎて
マール「でも結局は、失敗する確率より成功する確率の方が遥かに高いのだよね?」
ルッカ「まあ確かにそうだけどね。でも偶発的な事故はありうるから絶対の安全は保証できない。それでもやりたいの?」
危険を承知した上でマールはヤル気満々だった。
「(度胸ある子ね…気に入ったわ!)しょうがないわね。念のため同意書にサインを書いて貰うわよ。」
書類にサインするマール。問題があるとすれば書き込んだ名前も住所もテキトーだったこと。