クロノファン2022

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中世ビネガー編(ラスト少しかえた。魔法みんなで覚える展開は、でも弱すぎだろ)

ゲートから出た直後、爆音が轟いた。



「この音は砲弾の音?!」

はっと思い出したルッカ。1600年頃のガルディアは魔族とはげしい戦争をしていた。、そのことは数時間前、未来のデータベースで勉強したばかりだった。現代は魔族が存在した歴史は隠蔽され、戦争の記憶は人々から消された。だがこの時代に魔族は当たり前の様にいる。頭で理解していたが、今この瞬間に戦争が始まっているとは想定していなかった。ガルディアが負ける歴史ではなかったので街に向っても危険はないだろうが、三人の足取りは遅かった。

クロノ達が山を降りると、城下の街は戒厳令が出ていた。
人々は街を出歩かず、家々にこもり、負傷した兵士達が療養所にいた。街の一角にある施設には数十の死体が集められていて、遺族や神父が冥福を祈っていた。数日前に見られた平和な街とは思えない光景だった。

「もしや貴方は…」見回りの兵士がクロノ達に駆け寄ってきた。「王妃様を救出に助力してくだった方ではないですか?」

クロノ達は王妃救出直後、マールと合流して直ぐに現代へと帰還した。時空の揺らぎがいつまで存在してくれるか判らなかったのもあり、王妃とはろくに会話もぜす逃げる様にゲートへと飛び込んだ。知らなかったが王妃は救出に尽力してくれたお礼をする為、捜索命令を出していた。

兵士は馬車を手配し、乗るように促してきた。ロボは重装備をしている人間だと勘違いされた。私達は現代風の場違いな服装をしていたので、異国から来た者だと思われてた。周りの奇異な目が痛いが。

歴史に深く介入すると何が起きるか判らない。ここにいる事は本来あるべき事ではないかもしれない。けれど本来あるべき姿とは何かという疑問はある。現代は平和に見せかけた人間が家畜にされた魔族社会。未来はラヴォスによる滅亡世界。それがあるべき姿ならば、今ここで未来に影響を与えて何かが変わって何の問題があるのだろう。現代に帰ったとしても指名手配されている。その歴史なんて変わってくれた方がマシだった。

「今はまだ防戦しかできてないけど、このガルディアに伝説の勇者があらわれたんだ。その勇者さえ加勢してくれれば戦況はひっくり帰るぞ。」

馬車に乗って兵士に別れを告げようとしたとき、不意に言われた言葉

その答えはリーネに再会したとき判明した。

勇者の証を持った者が現れ、街では伝説の勇者の噂が広まっていた。勇者バッジとは元々、戦場の英雄サイラスが所持していたもので、そのサイラスは20年前に行方不明になっていた。そのサイラスが帰還したのかもしれないという話題だった。

しかし戦況はガルディア本土へと続くゼナンの橋に魔族の侵入を許していた。魔族の侵入を防ぐ為に破壊していたが魔族はその橋を死体で補強しているという。

将軍ビネガーは戦場で死んだ兵士の死体を魔法で集めて操り、壊れた橋にかけた。その橋の上を死体の兵士が進行しガルディアの兵士達は血みどろの戦いをしていた。

ガルディアは砲弾、投石、カタパルト等を使い、遠距離攻撃を仕掛けていた。首を切断しても肉を削いでも動き続けるゾンビ。骨を砕いてやっと倒せる。四肢がバラバラになっても集まって動きたす。

射撃線の隙間をぬってそれらの魔軍が強襲を仕掛けていた。

このまま静観することもできる。闘いに加わらなくても歴史は安全を保証している。それが未来から得た情報だった。だが魔族のいた歴史は抹消されていたのが現代だった。未来のデータベースがどれほど史実に基づいているかも疑わしい。

防戦しかできていないガルディア。砂漠地帯の前線にはカエルと5000の兵士が向かったそうだが、壊滅状態だという。

ビネガーの魔術にガルディアは崩壊していく。そんな未来しか見えない状況で

だがクロノ達では戦力になるとは思えない

ルッカ
「大丈夫、私達には命知らずのロボがいる。」


クロノ達は橋へと向かい、ロボは敵を一撃で倒していく。
「なんだこの鉄の生き物は!」
「敵の妖術兵士か?」
苦戦している兵士たちを尻目に橋に群がる敵を蹴散らして進んでいく。
「いや、こいつは我々に味方してくれている」
「もしや、この鉄の生き物が伝説の勇者なのか!?」
「いや、この鉄の生き物を後ろで操っているのが、本当の勇者様に違いない。」

ロボの後ろでロボを指図していたルッカ

「見知らぬ貴方たちの助太刀に感謝致します。しかし、橋の向こう側にいるのは将軍ビネガーです。奴の妖術はとても危険です。どうか気をつけて。」

ロボは強かった。10人力、100人力のチカラがあった。

とはいえ敵の数は橋を埋め尽くしている。死体兵士は、1000を超え、ロボがフォローしきれない敵がガルディアの兵士に襲いかかる。

負傷して動けない者を放置すればビネガーが操ってくる。倒れた兵士は直ぐに救助が必要だった。

クロノ達は覚えた魔法で防戦するものの、付け焼き刃のチカラでは全く使い物にならなかった。

ピストルは弾数は限られていた。ここぞという時にしか使えない。マールのボウガンもスポーツ用品でありそれほど戦力にならない。

剣道を習ったクロノも同じく不足だった。

しかし、まったく役に立たない事もなく、刀の鞘は効果があった。転ばして倒れた敵を担いで海に落とすのは効果的だった。
マールは倒れた兵士を療養所に運ぶ手伝いをし、クロノは鞘をバッドの様に振り回し、援護した。

時間はかはかったが、砲弾と投石のおかげか、ビネガーの部隊は勢いを削がれていった。


ビネガー(こうなったら、とっておきのをだすよ〜ん)

ビネガーが呪文を唱えると、屍が一斉に集まり、ひとつの巨人になった。

巨体人の腕振りの長さは、いままでの100倍はある。兵士達は近づく事さえできなかった。

しかしガルディア兵も負けてない。後ろに兵を引かせると、大砲をぶち込んだ。

大きい分だけ的が狙いやすい。砲弾は簡単に命中した。

ビネガー
「うぬぬぬ、ならば今度は小さな兵だ。」

大砲で飛び散る死体の破片や血液体液。ビネガーの呪文とと共に集まる。
小さな肉の集合体が与えるダメージは少ないもの、兵士達の足元を絡め取ろうとし、口に入り、息を塞ごうとする。大苦戦を強いられた。

クロノはどうしていいか分からず、負傷して動けない兵士に群がる肉や液を追っ払うことしか、できなかった。
それでも助ける事はままならず、クロノ達の前で人が死んでいった。

戦力になるのはロボだけだった。

橋の上で互いに消耗戦が繰り広げられた。

数時間後、ビネガーは魔力を消耗したのか撤退した。

死者負傷者6000を超えていた。

クロノ達は明らかに準備不足だった。
未来のデータベースノアではビネガーの情報は見つからなかった。というより情報がありすぎてあっても気付けなかったのかもしれない。

魔族全般が熱に弱いのを考慮するなら火での攻撃が正解なのだろうが、前もって準備しておく時間もなかった。

あまりにも強い魔族側。次にビネガーが進行してきたら、ガルディアは滅亡してしまうかもしれない。ガルディアはこの苦難をどう乗り越えるだろうか。


ルッカは未来のデータベースを確認しにいった。しかし詳しい情報は見つからなかった。当時の下級魔族は連携が取れておず、識字率も低く、歴史の情報を後世には残せなかった。伝承的にラヴォス召喚を当時の魔王が推進していたという噂だけが残った。そのラヴォスもいつ召喚の儀式が行われるかも不明だった。

ガルディアはビネガーが再び攻撃を仕掛けてくる事に備えて、防衛の準備を始めていた。
亡骸を利用されない為に砂漠地帯に向かった兵士の遺体も処分しなければならない。
また戦争の混乱での行方不明者探し、被害実態の調査。ガルディアの仕事は多く残されていた。


目の前の犠牲者を見たルッカは怒りで震えていた。
クロノ達に無言のままでガルディアの王宮に戻った。

ルッカは王に進言した。

「お願いがあります。私に魔王軍と戦う為の武器を作らせてください」

ルッカには迷いは無かった。魔王軍に勝つためのプランが出来上がっていて、実現する自信があった。歴史がどうなろうが知ったこちゃない。

ビネガーが次の攻撃を仕掛けてくる前に完成させないといけない。ルッカは作業場に篭った。

クロノ達はこの時代で何ができるかわからなかった。
この時代の人々が、曖昧な勇者の噂に縋りつく気持ちが分かる様な気がした。

衣食住のめどはリーネとのコネでなんとかなるとしても、ただ飯食らいで何もしないのも気が引けた。。
何か協力できないかと頼んでみるものの恩人かつ客人として扱われた。

だしとしても退屈だった。不謹慎だが、中世の世界を観光してみたいという気持ちもあった。

ガルディア軍部の被害調査隊予備隊員に入隊したクロノ。マールも共に加わった。試験はなく、志願して講習さえ受ければ誰でも成れる役職だった。

主な任務は本土の外にて魔族に制圧されたかもしれない街の被害実態を調べる事と砂漠地帯の遺体処分だった。

数日分の行き帰りの物資が支給されていたものの砂漠の熱さはキツイ。魔族が熱さに弱いのを考慮すると、南部の街が襲われている可能性は低い。

南部よりも危険なのが砂漠の中心に存在する街で、魔王軍の襲撃があるとしたら、まずそこが壊滅しているだろう。もしその街が壊滅しているのであれば、魔王軍が駐留している可能性があり、速やかにガルディアに報告しなければならない。


クロノ達はまず遺体を避けながら砂漠の中を2日進んだ。
数え切れない亡骸の先を抜けて中部地方の街が見えた。

幸い街は魔王軍には襲撃されてはおらず、クロノ達は近くの一件の民家の戸を叩いた。

クロノはガルディア軍部被害調査隊の腕章を見せた。
住人によると、魔王軍の部隊がこの街に進行しているとの報はあったものの、魔族は一匹たりとも、この街には侵入しなかったそう。
ガルディアの剣士カエルにより街の防衛は守られたのだという。

マール
「カエルって、たしかリーネ様を助けた騎士らしいよね?」

クロノはカエルを思い出していた。緑色のカエル人間。リーネだけでなく、蛇女との件で命を助けてくれた恩人である。
カエルは魔族なのだろうか。 魔族の中にも人間側に味方する者がいるのだろうか。

被害のほとんどは前線で食い止められていた。死んでいった兵達のお陰なのだろう。クロノ達は被害実態の調査を終えて遺体の回収へと向かった。


砂漠の中で荷車を押している緑の影を発見した。カエルだった。
カエルは目にも止まらぬ早さで荷車を引いていた。
大きな穴に死体を入れている。

クロノ達とカエルの目が合う。、まるで瞬間移動したかの様にカエルは近付いてきた。
「お前、無事だったのか!」
大きな目が近すぎる。
「急にいなくなるから、魔族の残党にでも殺られたのかと思って探してたんだぞ!」
少しキレ気味に叱られたクロノ達。
カエルはふとマールに目をやった。


「お!王妃様が!?、なぜここへ!!」

カエルはパニックしていた。マールとカエルはここが初対面だった。

遺体を穴に入れて灰にし、土で埋める。それが遺体の処理だった。
遺族に返す訳ではない。
前線に志願したのは魔族に身内を殺された者達が多くいた。帰りを待っている者がいない特攻兵で構成されていた。


「翌朝には魔界から進軍がはじまって、お前達を探すどころじゃなくなったんだ。」

クロノ達が現代へ帰った翌朝、カエルは前線へ向かった。
カエルは魔王に呪いを受けて化け物にされたが、代わりに人知を超えた跳躍力で動ける様になっていた。時速200で移動することができる。
誰よりも早くこの戦争に参加したが、ビネガーの死体を操る力に苦戦を強いられた。倒した魔族軍はビネガーに再利用され、何度も襲いかかってきた。特攻隊もビネガーに利用された。、まだ息がある兵士すらもビネガーに操られた。


カエルはクロノ達の袖についてる腕章に目をやった。


「ここは一人でいいから、お前達は王宮へもどれ」


マール「え、大丈夫だよー。手伝うよー

カエル「…


なんとなくカエルをほおっておくのが忍びななかった。まるで人との会話を避けている様な気がした。マールにも似たような覚えがある。王族として扱われ人と深く関わろうとしても距離を感じてしまう。そういうのが怖くて人を避ける様になっていく。そっけない感じのカエルを見てマールは思うところがあった。


マール「そういえば伝説の勇者の噂話を聞いたのだけど、あれって真実なのかな?」

カエルにとって伝説の勇者サイラスは触れられたくない過去だった。自分の無力さで死んでいったサイラス。彼が身に付けていた勇者バッジ。サイラスの死を直視できなくて、誰にも打ち明ける事ができなかった。自分が勇者バッジを持っていることが人に知られれば、サイラスがどうなったのか聞かれてしまう。戦場での報告は義務だった。サイラスの死は王家に告げなければならなかった。
だけと告げよとすると、サイラスの死を思い出して苦しくなる。カエルにされた事もありグレンの名を出さなければ誰も自分の正体に気付かない。サイラスの事は誰も自分には聞いてはこない。
そんな状況にカエルはそれに甘えていた。真実を告白する勇気がなかったともいえる。

自分も勇者に成りたかった。いつか勇者バッジをつけられたらと思っていた。
だが、うっかり、酒に酔って失くしてしまった。
とても恥ずかしい。余計に持ち主だとは名乗れなくなってしまった。

カエルが人と深く関われない理由はマールの想像のつかないところにあった。


クロノ達の元へ中年の男性がやってきた。

話を聞くに、街の子供がデナドロ山へ向かったという。
その子供は勇者話のデマカセを風潮した為、引っ込みがつかなくなり、自分で勇者の証を示す為にデナドロ山に向かったらしい。

デナドロは魔族のテリトリーであり、子供が一人で行くのは危険過ぎるという。

カエルはそれを聞くと時速200kmであっという間に行って帰って来た。

子供な救出されると、中年男性とその子は手を繋いで帰っていった。

カエルはバッジの様なものを手に持っていたが、そそくさとしまいこんで、仕事に戻った


マール
「そういえばグランドリオンって知ってる?」

未来のデータベースにて魔族に効き目のある武器と出ていたが伝承めいた情報だった。

カエル
「グ、グランドリオン!!?

カエルは動揺した。勇者バッジと同じく、グランドリオンもトラウマだった。折れてしまった事は王家に報告しないといけないのに逃げ続けた。、サイラスとの辛い別れを思い出してしまう材料であるグランドリオン。カエルにとってはグランドリオンは禁止ワードだった。国宝級の剣を鍋の中に隠しているなんて恥ずかしくて知られたくなかった。


マール
「どうしたの?グランドリオンのこと知っているの?

カエル
「それはだな…(王妃様の顔をしているからついほんとの事を話してしまいそうになる!)


(まあでも、こいつら異国の人だ。別に話しても問題ないのでは?それに今さらかもしれない。勇者バッジを拾った少年が持ち主の噂を広めたらもうどうにもならん。隠しきれない)


カエルは一部始終を話した。話してしまった。

「折れた剣は家にある。グランドリオンを修復できればいいのだが、直せる者がいないのだ。」


「作った人に治して貰えないの?

「作った人か…元々誰が作者かわからないものなのだが…

「何か手がかりはないの?

「一応ボッシュという言葉が鞘に刻まれているが、それがどんな意味をなしてのかはわからない」


ボッシュ??どこかで聞いたような…」
マールは思い出した。千年祭で出会った謎の老人ボッシュ。正体は骨董マニアでテレビのコメンテーターをしていた。中世から手に入れた刀について銃刀法違反扱いだと言って脅してきた。コスプレのおもちゃだと言って誤魔化しても執拗に迫ってきて…。たしか名刺を貰っていた。そういえば、ボッシュの顔、時の最果てにいた爺さんに似てた様な…

そういえばルッカが言ってた。未来のゲート前に意味深な扉。謎の紋様の扉の先に必ず時空の揺らぎがあった。。あれはタイムトラベラー同士が判る紋様なのではないかと。自分達以外にもタイムトラベラーがいたとしたら、中世に存在する剣を現代人が作った可能性もなくはない。グランドリオンで魔王の目論見が阻止できるなら…

☆。ここまでにするか?

でも現代に戻るのは危険だ。現代は監視カメラ社会で魔族が自分達のを捜索している。時を越える話を爺に話したとたん、クロノとルッカは襲撃された。そして爺は魔族側に加担する者だと告白して、殺されてしまった。魔族は過去に干渉することを妨害しているのか、それとも人類家畜の実態を暴かれたくなくて、口封じしようとしているのかは判らないけど、現代をうろつけば捕まってしまうだろう。テロリスト容疑もかけられて指名手配されている。クロノの家族もルッカの家族も現代には居場所がなくて、

↑の展開はボッシュが神のやつ。

マールが未来に行って戻ってくると、魔法法を使える様になってる。「そうだ!ガルディア人、全員で魔法を使おう!」ていう展開は面白そう